認知症の介護に疲れたら!認知症は「愛のある」病。知るときっと優しくなれる!

認知症介護

認知症という病気をご存知でしょうか。

実際、どの程度病気を知っているかで認知症の方に対する接し方が大きく変わると思います。

この記事では認知症という病について。そして認知症の方が穏やかに過ごせる方法を私の経験を踏まえて書いていきます。

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認知症の種類を知ろう!

一言で認知症と言っても、いくつか種類があります。「私の頭の中の消しゴム」で主人公の女性が患ったのは「若年性アルツハイマー型認知症」です。

若年性アルツハイマー型認知症

18歳以上65歳未満のいわゆる「現役世代」に発症する認知症の事を言います。特徴としては、高齢者の認知症と比較すると原因疾患が異なったり、社会的な問題が生じやすいです。推定の発症年齢が平均で51歳と言われており、職場では中核を担っていたり一家の働き手としても重要な世代となります。

アルツハイマー型認知症

大脳全体が大きく委縮してしまいます。短期記憶や時間や場所などの感覚を司る「海馬」という場所から委縮が始まる為、初期の段階から極端な物忘れや時間的感覚がわからなくなるのが特徴です。

脳血管性認知症

脳梗塞や脳出血が原因で起こる認知症です。主に脳梗塞が原因でなる場合が多いと言われています。脳の血管が詰まり、その先の脳細胞が死んでしまう事で発症します。脳血管性認知症は詰まった血管の場所によって症状が様々です。抑うつや意欲低下、理解力はあるけど新しい事が覚えられないなど。

レビー小体型認知症

レビー小体というたんぱく質が脳に蓄積する事が原因と言われています。実際に存在しないものや人が見える幻覚(幻視)が現れたり、人を間違えたり、動作が鈍くなり転倒したりという事が徐々に進行します。調子の良し悪しがはっきりしているのも特徴です。

前頭側頭型認知症

前頭葉と側頭葉が徐々に委縮していきます。同じ行動を繰り返したり、自分勝手な行動をとったり、言葉が出ないわからないなどが主症状です。65歳未満で発症する事が多いと言われています。

認知症と物忘れの違いってなに?

認知症と物忘れの大きな違いは

  • 認知症は忘れた事さえも忘れてしまう
  • 物忘れは忘れた事が思い出せないだけ

誰にでも物忘れはあります。「あれ?何しようとしてたんだっけ?」など誰にでも経験があるのではないでしょうか。

物忘れは高齢になれば、若い頃よりも頻度も増えて時に思い出せない事も出てくるでしょう。でも、「あれ?なんだったっけ?」と感じる時点で認知症ではないのです。

認知症は「あれ?」という感覚すらなく、忘れている事もわからない。記憶が完全に抜け落ちた状態なのです。だから周りの人に「さっきも言ったでしょ?」「さっきご飯食べたじゃない」と言われても、そもそもその「さっき」があった事が抜け落ちているので「この人は何を言っているんだ。私は言っていない。食べていない。」になるのです。

何度も同じ事をするのも、何度も同じ事を聞くのも、周りにとっては「何度も」ですが認知症の方にとっては全て「初めて」の事なのです。

認知症は愛のある病気!

ではなぜ認知症が愛のある病気なのでしょうか?それは「何度も」に隠されています。

認知症の方が「何度も」同じことをするのは全て意味があります。その意味は個人個人で違いますが、その行動自体に意味があるのです。

ここで私がケアマネジャーとして担当させて頂いた方を例にします。

 若年性認知症の女性の方でした。

 その方には同居していた一人息子がいましたが、息子が若かった事もあり認知症の症状を理解する事が難しく一緒に住む事が困難になりました。

女性は一人暮らしを始めました。

始めた当初は息子に対して、不満や怒りを持っていましたが日が経つにつれて徐々に不満や怒りは持ちつつも息子に四六時中電話を掛けるようになりました。

何度も何度も電話を掛け、その度息子に怒鳴られながらその事を忘れて電話を掛け続けました。

昼夜問わず電話を掛ける為、息子も嫌気がさし本人からの電話が掛かってこないように拒否をしてしまいました。結果として、本人は警察に行き「息子が事件に巻き込まれた。息子の家にいきたい」と訴えました。警察も状況を察して、息子に電話をし本人は警察へ保護されました。

この方は、息子と離れ一人暮らしを始めた当初は息子と離れる事に対して「せいせいする。」と言っていました。

しかし、症状の進行と共に「息子に一緒に住もうと言われた」「息子が電話に出ない。普段はどんな時も電話に出るのに。事件に巻き込まれたのかもしれない」と自分の願望や息子を思う気持ちが如実に現れてきました。

「何度も」電話をするという行動は息子に気持ちを確認する為。息子の安否を確認する為におこなっていたのです。「電話を掛けた」という行為を忘れても、何度も掛けるのはその行動に意味があるから。

この方だけではなく、認知症の方が行う徘徊にも必ず意味があります。何度言っても外に出て行ってしまったり、毎回必ず同じものを買ってきてしまったりと認知症の方の行動に良く見られる症状です。

何度も出かける方であれば、「過去の同じ時間に毎日犬の散歩に行っていた」や「息子や娘を幼稚園まで迎えに行っていた」など思い起こすと「そう言えば」と思い当たる節が家族の方なら思い出せるかもしれません。

買い物で同じものを買ってくるのも、「旦那さんが好きな食べ物だった」や「子供が一緒に住んでいた時に良く買って帰ったもの」だったりと同じものにも意味がある事が多いです。

でも一緒に住んでいるご家族からしたら、「何度も」同じことをされて「何度も」同じことを言ってもすぐに忘れられてはストレスになると思います。

だんだんと心が疲れてしまい、やさしく接する事も出来なくなってしまいます。上に書いた女性の息子さんのように時に怒鳴ってしまったり、拒否してしまったりもしてしまうと思います。

すると、そうしてしまった自分に対して自己嫌悪をして…。どんどんと悪循環に陥ってしまいます。

どうしたら認知症の方と向き合えるか

この記事は大切な人が認知症を患っている方に向けて書いています。

ここまで読んでくださったという事は、家族や親族など大切な人が認知症を患っている方ではないでしょうか。

もし対応に疲れてしまっていたら、役所や地域包括支援センターなどに助けを求めてください。

全てを自分一人や家族だけで抱える必要はありません。自分(達)で何とかしなければと思えば思うほど苦しくなります。そうすると表情や口調にその辛さが現れます。

認知症の方は、けして何もわからない訳ではないのです。

むしろ記憶を無くしてしまう代わりに感性はとても敏感になります。

周囲の人が辛そうな顔をしていたり、困った顔をしているとその空気に敏感に反応されます。するとますます「何とかしなければ」という気持ちから症状がひどくなる事もあります。

だからこそ、周囲に助けを求めたり少しでも笑えるようなゆとりを持てるように。

認知症の方は穏やかな表情で笑って話しかけると、必ず笑顔で穏やかに返してくれます。まるで鏡のように。

そして少し余裕が出来たら「何度もする〇〇にはどういう意味があるのだろう?」と記憶を辿ってみてください。

もしかしたら、過去に思い出となるような何かがあった事をあなたが思い出すかもしれません。

まとめ

認知症は記憶から出来事が抜け落ちるとても恐ろしい病気です。しかし、周囲の理解があって穏やかな環境で過ごされていると不思議と進行が緩やかになったり、何事もなく過ごせている方達もいらっしゃいます。

実際に私も重度の認知症の方が、家族や周囲に支えられ穏やかに過ごしておられるのを見てきています。ただ、個人個人千差万別の生活があります。全ての人に当てはまるわけではありませんが、皆が笑顔で過ごせる空間があれば認知症を患っても、好きな場所で好きな人たちに囲まれて穏やかに過ごせるのではないかと私は思います。

この記事を読んで少しでも認知症に対しての理解が深まったり、これまで辛い思いをされてきた方が少しでも一時でも心休まる時間がもてたら嬉しく思います。

カイゾウ
カイゾウ

最後まで読んで頂きありがとうございました。ではまた。

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