介護保険サービスの種類!どんな利用の仕方があるの?

介護保険介護

介護保険サービスと言っても、自宅で生活されている場合に利用できる「居宅サービス」、施設に入所して受ける「施設サービス」、その他に施設と自宅の中間的な「居住系サービス」に分けられます。「施設サービス」には特別養護老人ホームや老人保健施設、「居住系サービス」はグループホームや有料老人ホームが該当します。

この記事では「居宅サービス」を取り上げていきます。「居宅サービス」は「施設サービス」や「居住系サービス」と併用して利用する事が出来ません。要するに、自宅以外(サービス付高齢者住宅や一部有料老人ホームは自宅扱い)では利用できないので、「特別養護老人ホームに入所しながらデイサービスへ通う」という事は出来ないのです。

一概にどのサービスがどのような効果をもたらすかは介護保険を利用される方(以下:利用者)のお身体の状態やご家族の生活状況など個人個人で違いがありますので、ここではサービスについて大まかに書いていきます。

介護保険サービスは地域によってサービス提供している事業所数に違いもあります。この記事では比較的どの地域でも供給のあるサービスを記載していきます。

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居宅サービスの種類

はじめに「居宅サービス」の種類をまとめます。

ヘルパーやデイサービスはこれまで介護にあまり接する機会のなかった方でも何となく聞いたことがあるサービスだと思います。それでは実際に介護保険で利用できるサービスはどのようなものがあるのか一覧にしてまとめていきます。

居宅サービスは大きく分けると「訪問系」「通所系」「短期入所(滞在)系」と3つに分けられます。

訪問系サービス

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 訪問入浴介護

この4つはどの地域でも必ず提供する事業所があるサービスになります。「あれ?意外に少ない」と思われたかもしれませんね。実際にはこの他に、居宅療養管理指導も訪問系サービスに含まれますが、この記事では割愛します。また機会があれば、居宅療養管理指導についても記事にしていきたいと思います。次に「通所系」のサービスになります。

通所系サービス

  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション(デイケア)

通所系サービスはこの2つです。この他に地域密着型通所介護等もありますが、ややこしくなるのでここでは通所介護に含んでいきます。

通所介護についてはこちらの記事も参考にして頂けると嬉しいです。

短期入所系サービス

  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護

入所系サービスもこの2つです。以上が基本となる居宅サービスの種類になります。

さらにケアマネジャーが提供する、「居宅介護支援」も居宅サービスに含まれます。

「要介護」でも「要支援」でも基本的には利用できるサービスに変わりはありません。要支援の場合は「介護予防」とサービス名の前につく事と、支払い単価が要介護は「日割り」、要支援は「月割り」の違いがあります。ざっくりとした説明になりますが、この程度で覚えておいて頂いて差支えありません。

訪問系サービス

ここからは各サービスごとに少し詳しく書いていきます。

介護保険サービスは「利用者本位」と言って、利用者が自らサービスを選ぶことが出来ます。しかし、便利勝手に利用できるものではありません。必ず問われるのが「自立」「必要性」です。

「安くヘルパーに掃除してもらえるなら楽で良いや」という理由では利用できないのです。利用者が自立した生活を送る為に、サービスで支援を受けることが生活を維持する為には必要であるとケアプランに記載できる根拠となる理由が必要になります。

訪問介護(ホームヘルプサービス)

訪問介護は資格を持った介護士(ヘルパー)が、利用者の自宅に訪問して一人では行うことが難しい事や、家族が行うにしても負担が大きい介護を支援してくれます。サービス内容としては大きく2つに分かれています。

  1. 身体介護
  2. 生活支援

身体介護は利用者の身体に触れて行う介護です。排泄介助(おむつ交換等)や着替え、入浴介助がこれにあたります。また利用者と一緒に行う家事(調理を一緒に行う・買い物に一緒に同行する)も身体介護となります。

生活支援は主に身の回りの家事支援です。掃除・洗濯・調理等、自分で行うことが難しい場合にはヘルパーが代わりに行ってくれます。しかし、同居家族がいる場合は生活支援のサービスは基本的に受けられません。高齢者世帯であっても、介護保険の認定を受けていない人が同居している場合はNGです。

ただし例外もあります。

  • 利用者が日中一人で生活していて、自分の身の回りの事が出来ない。
  • 同居家族が障害等で家事を行うことが出来ない。

というような理由が該当します。しかし、日中一人で生活しているけれど、「出来ない」のではなく「やらない」というのはダメです。また同居家族との共同空間の掃除や同居家族分の洗濯や食事作りも行うことは出来ません。

訪問介護は「出来る」支援と「出来ない」支援が明確になっています。掃除を例に挙げると、床の雑巾がけは出来ますが換気扇の掃除は出来ません。

敷地内であっても屋外の草むしりや窓ふきも出来ません。大掃除はもっての外…。

基本的に日常の生活範囲内で最低限必要な家事と考えて頂けると良いかと思います。

生活支援を例外的に利用する場合は、介護保険課に申請して許可を得なければいけない市町村も多いと思います。詳しくは担当のケアマネジャーに聞いてみてください。
訪問系サービスの中で一番ポピュラーなサービスですが、一番条件が細かいのも訪問介護です。
正直なところ、意外と現場のヘルパー自身が「出来る事」「出来ない事」を理解せずに親切心で「出来ない事」を行ってしまっている場合も少なくありません。ただ後々面倒な事にもなりかねないので、利用される方が制度をしっかりと理解して頂くことが一番かと私は思います。

訪問看護

訪問看護は基本的には「看護師(保健師・准看護師)」が自宅に訪問します。訪問看護は主治医からの指示を受けて、指示に沿って看護師等が訪問するので、サービス利用には主治医へ相談し指示を頂く必要があります。利用についての確認はケースバイケースですが、最終的にはケアマネジャーが行います。

ではどのように利用するか例を記載します。

  • 褥瘡が出来てしまって処置が必要。
  • 持病があり体調が不安定。定期的に体調の確認が必要。
  • 点滴や胃婁などの管理。

この他にも、訪問看護は非常に柔軟な対応が可能です。例えば、自宅で入浴をしたいけれど入浴後に傷の処置が必要で家族が対応するのが大変な場合は入浴介助も含めて看護師が体調を確認しながら行ってくれたり、退院直後で体調が安定せずに不安な場合に相談に乗ってくれたりと看護師が訪問することで自宅での生活が安定する方にとっては非常に良いサービスだと思います。

24時間365日対応している事業所も多く、夜間に体調が悪化し不安な時でも電話で相談や指示を出してくれたり、必要に応じて緊急訪問もしてくれます。

主治医にも月1回書面で報告してくれたり、常時利用者の様子に対して連携を取り合ってくれるので、非常に心強いサービスです。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションは自宅へリハビリの専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が訪問し、利用者に必要なリハビリを提供してくれるサービスです。

例えば、「脳梗塞の後遺症でベッドからの起き上がりが一人では思うように出来ない」や「一人で買い物に行きたいけど、転倒や体力に不安がある」等のニーズに対して自宅や周囲の環境を利用してリハビリを行ってくれます。

自宅環境に対するアドバイスや生活動作に対する指導、自主トレーニングメニューの作成も行ってくれます。

訪問リハビリテーションは3カ月に一度、医師の診察を受けリハビリの継続について意見を頂く必要があります。その都度体調や目標の確認を行い、目標を達成した際にはサービス終了になるケースも多いです。

訪問リハビリテーションは他の居宅サービスと比較すると、目標や期間を具体的に定めた上で卒業を視野に入れて利用して頂く事が多いです。

訪問入浴介護

基本的には介護士2名・看護師1名の3名体制で訪問し、自宅内のスペースを利用して一畳程度の浴槽を設置し入浴介助を提供してくれるサービスです。一軒家だけでなく、マンション等の集合住宅でも対応できます。また屋内が狭くても一畳強のスペースがあれば対応可能です。

要介護4~5の重度な方向けのサービスになります(重度でなければ利用できない訳ではありませんが、通所サービスを利用できる方であれば金銭的にも日中の生活としても通所をお勧めします)。

浴槽への移動は3人で利用者に出来るだけ負担が掛からないように搬送してくれます。入浴前後に血圧等のバイタルサインを確認してくれます。

気管切開や在宅酸素をされている方でも入浴可能です。MRSAや疥癬等の感染症で通所での入浴が困難な方でも対応してくれる事業所もあります。入浴後に処置が必要な利用者には看護師が対応し処置をしてくれます。

通所系サービス

通所系サービスとは、1日や半日など決められた時間を施設で提供するサービスです。利用者の自宅まで送迎してくれます。

通所介護(デイサービス)

基本的には運動・入浴・食事・レクリエーションなどを提供してくれます。利用者の生活リズムを整える事や意欲の向上、他者とのコミュニケーションの場としても役立ちます。

デイサービスは各地域で多く存在し、各施設ごとで特色が異なるので過去に好きだった事や興味がある事が出来る施設を選択材料にしても良いと思います。また、施設の規模も小規模~大規模まであり10数名前後から50名以上の利用者を受けられる施設など幅広いです。正確には小規模事業所は「地域密着型通所介護」と言い、住んでいる市町村内に限って利用する事が出来ます。通常規模~大規模の事業所は市町村をまたいで利用する事も可能です。認知症の方向けの「認知症対応型通所介護」もあります。

リハビリ特化型のデイサービスも増えており、リハビリ専門職や柔道整復師等の専門職がいる場合もあります。

デイサービスは異なる施設を複数個所通うことが出来ます。例えば「大規模のデイサービスと小規模のデイサービスを1週間のうちに1回ずつ利用する」や「リハビリが出来るデイサービスと手芸が出来るデイサービスを利用する」といった用途に応じて複数個所利用する事も可能です。

通所リハビリテーション(デイケア)

入浴や食事等の対応はデイサービスと重なる部分もありますが、デイケアには一定数のリハビリ専門職の配置があり利用者の身体に合わせたリハビリを提供してくれます。

サービス利用には訪問看護や訪問リハビリ同様に主治医から許可が必要になります。主治医へ利用を相談しリハビリに対する指示やデイケアへ向けて診療情報提供書を頂く必要があります。この点においても最終的な確認はケアマネジャーが行います。

デイサービスとの違いは専門職の配置がある他に、身体機能を整える為の機械を置いている施設が多く、その機械を使用した「パワーリハビリテーション(パワリハ)」と呼ばれる筋力に適切な負荷をかけながら行うリハビリが出来ます。身体にかける負荷量については主治医の意見を下にリハビリ専門職が個人にあった負荷を設定してくれます。

退院直後などは「短期集中リハビリ」と言い、退院後3カ月間を目途に集中的に専門職が関わってリハビリを行ってくれる施設もあります。

利用前にはどのようなリハビリ専門職の配置があるか、機械はどのような物を置いているのか、短期集中リハビリは行ってくれるか等確認してみると良いと思います。

デイサービスと異なり、基本的にデイケアは複数個所を通うことが出来ません。また訪問リハビリとの併用利用も原則出来ない事になっています。もちろん理由があり複数個所利用や訪問リハビリとの併用が必要な方には、理由を市町村に届出する事で利用できる場合もあります。

短期入所系サービス

短期入所系サービスとは、施設にお泊りが出来るサービスです。介護される家族が外出されたり、介護に疲れてしまった場合に利用できるサービスです。利用者の介護度にもよりますが、最長30日連続で利用する事が出来ます。31日目は保険適用になりませんが、そのまま泊まり続ける事も出来ます。

自宅での生活が難しくなってしまった場合、施設入所までの期間をお泊りしながら待つ事も可能です。ただし、介護保険の認定期間の半分までしかお泊りの期間は介護保険では認められていないので、超えてしまう場合は市町村へ届出をする必要があります。届出はケアマネジャーが行います。

例:H31年10月1日~R1年9月30日と介護保険証に記載がある場合、1年間の認定期間なので6カ月間のお泊りが認められます。

短期入所生活介護

短期入所「生活」介護は、お泊り専門の施設に予め決めた期間泊まる事が出来ます。2~3カ月前から予約できる施設も多いです。お泊りしている間、食事・入浴・身の回りのお世話を施設の職員が行ってくれます。

個室や多床室と呼ばれる複数ベッドがある部屋など、施設に応じて異なります。利用者の好みで選んで頂けると良いと思います。

短期入所はお部屋代と食費は介護保険には含まれません。施設ごとに金額は異なるので事前に確認しておきましょう。お部屋代はユニット型個室が一番高額で、多床室が一番安価です。

 

カイゾウ
カイゾウ

デイサービスとデイケアも食費・消耗品費等は介護保険に含まれないよ

短期入所療養介護

短期入所「療養」介護は、介護老人保健施設(老健)等に泊まることが出来るサービスです。老健等は24時間看護師が常駐しているため、医療依存度の高い方もお泊りすることが出来ます。またお泊り期間中にリハビリが出来るのも魅力の一つです。

ただ、短期入所療養介護は事前に予約して泊まれる施設が少ない印象があります。定期的にお泊りが必要な方等は短期入所生活介護の方が事前予約が出来たり、希望の日数を泊まる事が出来るので良いと思います。

基本的には老人保健施設は入所施設になるので、退所する利用者と次に入所される利用者の入れ替え時に数日空いたベッドをお泊りできるベッドとして利用できるようにしているのが一般的です。

まとめ

居宅サービスは住み慣れた自宅や地域で安心して過ごす為の制度です。自分で行うことが難しくなってしまった事や介護者の負担を軽減する為に上記のサービスを上手く活用頂いて、長く自宅で過ごして頂きたいと思います。自分の自宅に勝る場所はどんなに綺麗で素敵な施設であったとしても超えられないのではないかと思っています。

カイゾウ
カイゾウ

居宅サービスに対してこの記事が少しでも参考になると嬉しいです。

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